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ローザンヌからヴヴェへ

 8時50分にホテルをチェックアウト。ジャンルイ・マッテイ氏のご好意で、9時に図書館に行く。図書館前のリポンヌ広場で蚤の市が開かれていた。出店は少ないが、本のお店を少し見る。活字を売っているのが面白かったので写真を撮った。
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 9時5分に、昨日のトルシエ似の人に、ダイソーの「かんたんフランス語会話」の例文にならって"Est-ce que Monsieur Matthey est là?"とフランス語で聞いたら、ちゃんと通じて電話で呼び出してくれた。さっそく資料室を開けてくれて、仕事開始。
 途中で「トルシエ」氏が親切に「お茶でも持ってこようか?」と声をかけてくれたが断った。
 12時20分まで頑張った。カートンを元に戻していて、棚にショビィ氏のコンサートリストが三冊あるのに気付く。中を見ると1910年からのコンサートリストで、本「カール・シューリヒト(le Rêve accompli)」の中で示唆されていたものだと思われる。さすがヴィースバーデン時代のデータは、シューリヒトホームページよりもこちらの方が多い。作業が終わったとマッタイ氏に伝えがてら、この本のコピーを頼めないか聞いたところ、1冊下さいました。やった。これでコンサートリストが完璧に近づく!
 良くみると、このリストにはシューリヒト・ホームページのデータが反映されていない。謝辞でも触れられていないところをみると、どうやらホームページのデータを参照していないようだ。残念でした。Uwe Harten, Benjamin Masso, Eric Derom, Jean-Francois Faudet,吉岡氏など馴染みの名前が列挙されている。もしかしたら吉岡さんは、このリストをお持ちかな?
 12時45分の列車でヴヴェに移動。駅の売店でパンとコーラを買いなつかしのオテル・ド・ファミーユにチェックイン。6日ぶりか?部屋は3階の駅側。窓から駅の正面が横に見える。
 シューリヒト夫人にお電話。午後お邪魔したい由伝える。お疲れの様子で"I am not quite alone." とおっしゃるので、どなたかお客があったようだ。それでも4時にお邪魔させていただくことになった。
 部屋でパンを食べたら前歯が欠けた。硬いパンなので、予感はあったのだが、、。
 ホテルのロビーでネットをして、それから部屋に帰ってベッドで休息。私もちょっと疲れた。30分ほど横になる。
 3時半少し前にホテルを出て、ショッピングセンターへ行く。ポータブルCDプレーヤーは無かった。その代わりに、イヤホーンアダプターを買う。とりあえずCDを聴けるようにはなるだろう。
 途中、COOPでリプトンのGreen Teaのペットボトルを買う。マルタ夫人が、お茶のお世話も出来ないとおっしゃるので。
 ラ・シエザまでの切符を機械で買おうとしたが分からなかったので、仕方なく窓口へ。色白のすばらしく美しいお嬢さんだった。
 ラ・シエザの手前2つの駅が「サン・レジエ・ゲール」と「サン・レジエ・ヴィラージ」だが、シューリヒトが以前住んでいたアパートは、どちらの近くなんだろう。そもそも、まだあるのかな?
 ヴェルナー・ウンガー氏のビデオをお見せするが、声が小さいらしくて聴こえないとのこと。私には良く聞こえるので、やはりお耳が遠いのだろう。私がヴィースバーデンに行ってお墓参りをしたこと、クアハウスで写真を撮ったこと、ケールでウンガー氏に会った事などを、写真をお見せしながら話す。
 ローザンヌの図書館のマッテイ氏にお世話になったことを話したら、もう会ってからずいぶんになるので、忘れたとのこと。写真を見せたが思い出せないらしい。シューリヒト氏が指揮した演奏会のリストを作っていることをお知らせしたら「誰がそんなものを見るの?」と不思議がられた。自分のために作っていると申し上げました。
 寝室にある3枚組みの小さな写真を見せていただく。マルタ夫人のお若いこと。シューリヒト氏も嬉しそうに微笑んでいる。
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 シューリヒト氏は「Professorシューリヒト」などと呼ばれるのを嫌って、そう呼ばれると「ただのシューリヒトだ。」と言っていたそうだ。それをマルタ夫人は楽しそうに笑っておっしゃる。
 名前についても、"Karl"と書かれるのを嫌い、手紙などに"Karl"と書かれると必ず"Carl"だと訂正していた。たしかに図書館でリストにした手紙(To Max Auer: 11. August 1950)にも、末尾に書いてあった。
 「私が死んでも、夫のようなスターではないから、ニュースにはならないわ。せいぜい(自分が生まれた)ルツェルンあたりまでしか伝わらないでしょうね。」
 居間の壁に掛けられているシューリヒトの肖像画(1917年)の写真を撮らせていただく。うかつにも今まで気づかなかった。
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 CDプレーヤーにイヤホンをつないで差し上げたが、音が大きすぎた。音量の調整がプレーヤーで出来ないので、諦める。「もうずっとCDは聴いていない。ラジオで音楽を聴いている。」とおっしゃる。「せっかくのCDが聴けないのは残念では?」と言うと、「あなたも90過ぎれば、どうでもよくなるわよ。」と微笑まれた。そうかもなあ。
 6時10分頃に辞去する。ドアの所で夫人は「もう会うのはこれが最後ね。」とおっしゃった。
by oktohru | 2010-03-25 15:46 | 日々の雑記 | Comments(0)


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