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VIII. 2024都民芸術フェスティバル Orchestra Series NO.55 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

 今年の都民芸術フェスティバルオーケストラ・シリーズの最後を飾るのは東京シティフィル。
 プログラムは、モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番(ピアノ:小山実稚恵)とベルリオーズ:幻想交響曲。指揮は常任指揮者の高関健。
 オーケストラ・シリーズは、毎回ポピュラーな演目なので、私はとても嬉しい。^_^
 そういえば昨年のオーケストラ・シリーズの最後は都響で、やはり小山実稚恵さんがベートーヴェンの「皇帝」を弾いたのでしたっけ。(ブログ
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 モーツァルトのピアノ協奏曲第20番というと、私にはハスキル・マルケヴィッチの録音がデフォルトなのですが、そうした厳しめの演奏に比べると、今夜の演奏はライトな感じ。高関氏は、タクト無しで指揮していました。
 ソリストアンコールに、ショパンの有名なノクターンを弾いてくださいました。
 20分の休憩をはさんで、メインの幻想交響曲。
 なんと休憩の間にピアノがどけられて、指揮台の手前(客席側)にハープが2台据えられました。
 私は初めてですが、こういう配置もあるのですね。
 第1楽章は繰り返しがあって、なんとなく新鮮。
 第2楽章が始まる前にハープ奏者お二人が登場。ハープの演奏が間近に見られるのは良かったのですが、第2楽章が終了するとともに、ハープもろとも退場するとは!^_^;
 しかも、ハープが退場した右側のステージドアが閉め忘れられてしまい開きっぱなしに。高関氏も気になっていたようですが、やむなく第3楽章に進みました(開始後しばらくして、ドアは閉められました)。
 第4楽章の「断頭台への行進」、音が大きくて良かった!
 終楽章、ステージ左側のドアが開かれて、鐘はその奥で叩いていましたが、低い音は響くのに、高い音は乾いた響かない音になっていました。リハーサルで気にならなかったのか、そもそもそれが良いのかわかりませんが、私には変な感じでした。
 高関氏、「幻想」ではタクトを持って指揮なさっていました。
 終演後、拍手に応えて高関氏は何度もステージに現れましたが、結局アンコールはありませんでした。残念!

# by oktohru | 2024-03-15 00:01 | 音楽 | Comments(0)

8. 夏川草介「始まりの木」(小学館文庫)

 夏川氏の作品と言えば、「本を守ろうとする猫と話」を昨年読みました(ブログ記事)。
 うってかわって本書は、民俗学を学ぶ大学院生藤崎千佳が主人公で、5つのエピソード(「寄り道」「七色」「始まりの木」「同行二人」「灯火」)で構成されている。
 指導教官である准教授古屋神寺郎は偏屈で口が悪いが優秀な学者。片足が不自由でステッキをつかないと歩けない古屋を助けて、フィールドワークに同行する藤崎たちが、時として不思議な出来事に遭遇する。
 しかしこの物語は、ただ怪異を並べただけのものではない。見えないから・理解できないから存在しない、という論理の行き着くところとして、現在の日本人が自然に対する謙虚さを忘れつつあることの危うさが、いろいろな場面で語られてる。
 そうして藤崎の行き着いた答えが「これからは”民俗学の出番です”」という言葉。かっこいい。
 それにしても古屋の悪口雑言がひどい。それをものともしない藤崎もえらい。口が災いして敵の多い古屋だが、彼を慕うファンがいるというのも面白い。
 解説を倫理学者(秋元康隆氏)が書いているのも、お互に通じるものがあるかららしい。

 
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# by oktohru | 2024-03-14 00:34 | 読書 | Comments(0)

緑内障

 勤務先健康診断で緑内障の疑いありとされ、眼科で緑内障と診断されたのは15年ほど前のこと。
 正常眼圧緑内障ということでしたが、とりあえず眼圧を下げる点眼薬を使うしか方策がないということでした。妙な話だと思い、それからずっとほったらかしにしていたのですが、昨年あたりから右目の視力が落ちてきました。自分なりに調べて見ると、右目の視野の一部が良く見えないことに気付きました。
 ただし「見えない」というのは視野が黒く欠けて見えるというわけではなく、判別できない箇所があちこちにあるという感じ。右目だけで文章を見ると、ところどころ文字が歪んでいて識別できません。
 幸い両目で見ると脳みそのおかげで?補完できるので、日常生活にはほとんど支障ありません。唯一不便なのは、望遠鏡のファインダーを右目では覗けないことでしょうか。
 とはいえこれ以上の悪化を防ぎたいので、15年ぶりに眼科医に行き、処方された点眼薬を1日1回差しています。はてさて効果はあるのかどうか。お医者様には「自覚症状が出たら手遅れです」と怒られました。

# by oktohru | 2024-03-11 13:01 | 日々の雑記 | Comments(0)

7. 田中孝幸「13歳からの地政学」(東洋経済新報社)

 著者は国際政治記者。通勤電車のポスター広告を見て、気になって地元の図書館でお借りしました。
 副題「カイゾクとの地球儀航海」から察せられるように、高校生・中学生の兄妹が、アンティークショップの店先に飾られていた地球儀をきっかけに、「カイゾク」とあだ名される店長の話を夏休みの間に7回聞くことになる。最終回に出されるクイズに答えられたら地球儀をくれるというご褒美つき。^_^
 ご参考までに各章の見出しは、「物も情報も海を通る」「日本のそばにひそむ海底核ミサイル」「大きな国の苦しい事情」「国はどう生き延び、消えていくのか」「絶対に豊かにならない国々」「地形で決まる運不運」「宇宙から見た地球儀」。
 世界の国々の関係や問題について話を聞くうちに、兄妹とも自分たちの将来について思いめぐらせるというストーリーになっています。
 13歳ではないけれど、いろいろ勉強になりました。


# by oktohru | 2024-03-11 10:14 | 読書 | Comments(0)

6. こいしゆうか「くらべてけみして」(新潮社)

 兄にお借りしました。「あとがき」によると、これまでエッセイ漫画を描いていた作者による初めてのキャラクターが動くマンガだそうです。ユルい絵が特徴。^_^;
 題名のとおり、登場するのは出版社「新頂社」校閲部の人達。このマンガも「小説新潮」に連載されたもので、新潮社校閲部の取材協力で実現したようです。
 そもそも校閲って、誤字脱字探しをする校正よりもずっとディープな作業なのですね。(参考サイト
 この本を読むと、校閲者一人一人の方針(信条)も違っていて、たった一つの正解がある世界ではないことが分かります。
 それにしても、今の書籍でも(基本的に)正字を使うのですね(×噛む 〇嚙む)。ちょっとびっくり。



# by oktohru | 2024-03-09 13:22 | 読書 | Comments(0)