北村薫「中野のお父さん」(文藝春秋)

 中野君のお父さんではありません。中野に住んでいるお父さん。定年間近の高校国語教師ですが、主人公である出版社勤務の一人娘(田川美希)が持ち込む謎(といっても、たいてい小さなこと)を、いとも簡単に解きほぐすのが、読んでいて快感です。八篇のうち二篇はスポーツが絡んでいるので、主人公が大学で女子バスケットの選手をしていた体育会系編集者(!)という設定が生きています。古典文学のウンチクがつまった「闇の吉原」も興味深いですが、最初の「夢の風車」が一番好きだな。
 装画:益田ミリ

中野のお父さん
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by oktohru | 2015-10-30 22:37 | 読書 | Comments(0)


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