「図書」10月号(岩波書店)

 みなさんは、ハンナ・アーレント女史をご存知ですか?(ウィキペディア
 私は、知りませんでした。岩波ホールで映画が公開されてもいるのですね。今月号の「図書」では、彼女が2つの文章で登場します。紀平英作氏の「ニュースクール」と赤川次郎氏の「今に活きる言葉」です。偉い人だったのですね。
 最近ブログを読ませていただいている岡崎武志氏の「本を読む」という、まさに氏の日常が描かれているエッセイです。「永遠の現在に遊ぶー『紅楼夢』の世界」(三浦雅士氏)は、「紅楼夢」をきちんと読んでいない私にはあまりピンとこない話ですが、中に出てくる漢詩の荷風訳が、原文に忠実でないことが分かりました。むしろ下敷きにして創作していたようなのは、「さすが!」とも思えますが。あいかわらず、斎藤美奈子氏の「文庫解説を読む」は興味深い。今回は、川端康成の「雪国」「伊豆の踊子」が対象ですが、三島由紀夫や竹西寛子、伊藤整らの解説が、ばっさりやられています。(^_^; 集英社文庫版(奥野健男・橋本治)がベストとか。佐伯泰英氏の「スリランカ旅行(上)」は、ノリタケの話が面白い。津村節子氏の連載は、氏の夫吉村昭の当時の仕事のことが描かれていて面白い。実を言うと、私は吉村氏の作品をほとんど読んでいませんが、、。(笑)池澤夏樹氏の「天井桟敷のプレヴェール」は、ジャック・プレヴェールという詩人・脚本家を教えてくれました。というか、氏が脚本を書いた「天井桟敷の人々」って、我が父の愛した映画ではありませんか!なんという無知なのでしょうか、私は。高村薫氏の連載「作家的覚書」も、重くて暗い話です。この夏に死んだ言葉は「人道」ということです。徳永進氏「エビデンスとナラティブ」の主題は、医療現場の患者への対応について、医療人の葛藤なのかもしれません。赤坂憲雄氏「はるかな照葉樹林の跡に」は、国木田独歩の「武蔵野」にまつわる連載で、これが6回目でした。高橋睦郎氏の連載「詩人が読む古典ギリシア」10「独唱抒情詩」は、ギリシア文学の叙事詩と抒情詩の歴史と、女性詩人サッフォー(氏はサッポーと書いていますが、普通サッフォーではないでしょうか?)の詩を紹介しています。サッフォーがキリスト教から弾圧されたなんて、あったのですね。

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by oktohru | 2014-10-10 00:51 | 読書 | Comments(0)


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